旧神岡鉄道「ガッタンゴー」レールバイク試乗
国道41号線、高山市より富山方面に車で走ると40~50分で神岡町の市街が右手に見えてくる。廃線になっしまった旧神岡鉄道のレールを利用した自転車走行を楽しんだ。始発駅は「奥飛騨温泉口」。ここを基点に「神岡鉱山前」駅までの約2.6キロを往復する。行きは下り坂、ということは帰りは上り坂となる。平均斜度1.5% 「ふん、これくらい軽いわ」と思ったが「あとでたいへんですよ~~」と係員の言葉。
出発前に軽いミーティング。VTRの映像を見ながらいくつかの注意を受ける。
ヘルメット着用、スボンがチェーンに巻き付かないように裾を輪ゴムで縛る。ギアの切り替え方、下りの場合の適正ギア数、登りは目一杯緩くした方が良いなどなど。
一番ビックリしたのは走行途中でチェーンがはずれた時の復旧方法の説明だ。
鐵平 「父ちゃん、思ったより危険かもね」
父 「もうビビッたか? とうちゃんに任せろ」
鐵平 「チェーンが外れたら頼むね」
父 「おぅ、任せなさい。それより腹減ってないか?」
鐵平 「大丈夫、お茶のペットボトルも準備OK」
段差が1メートルぐらいの高低差のあるプラットホームから一気に滑り出していく。先に出発した前の組とは200メートルくらいの距離を置き5組の参加者が順に出発していく

このスライダーからスタート
鐵平 「父ちゃん、滑り出しは快調だね。グィグイ進むよ」
父 「最初は下り坂だしな。景色をみながらの余裕だ」
鐵平 「このバイク、2台の自転車をくっつけたんだね」
父 「これを考えた人、ガッタンゴーの面倒をみてくれるメンバーの一人らしいぞ」
鐵平 「おしりの皮がむけそうだ」
父 「はッはッはッ、ほんとうだな」
目の前のトンネルが見えてきた。最初のは短く、2つ目は本格的トンネルだ。
鐵平 「父ちゃん、真っ暗だね。自転車に着いている電灯じゃ周りがよく見えない」
父 「大丈夫か。休まずドンドン漕いじゃうぞ。それっ、それっ」
鐵平 「なんか向こうに少し明るいものが見えてきたぞッ」
父 「もうすぐ出口だ」
長いトンネルを抜けると右手の神岡鉱山跡(閉山)が見えてくる
2001年までは主に亜鉛、鉛、銀を採掘していたらしい。今では「スーパーカミオカンデ」で有名だ。(Wikipedia)を参照すると神岡鉱山茂住坑に建設された東京大学宇宙線研究所のニュートリノ観測装置が設置されていて、宇宙から降り注いでくる、ニュートリノを観測しこれが質量をもつことでニュートリノのフレイバー(クォークやハドロン、レプトンを識別する素粒子の内部量子数)が変わるという科学の最先端のスーパーカミオカンデがここにあり、このようなノーベル賞に値する研究も有名だが、この鉱山の亜鉛鉱石の主要鉱物である閃亜鉛鉱に含まれるカドミウムを原因とする、富山県神通川流域で発生した大規模な公害「イタイイタイ病」の事も忘れてはならない重大な事だ。さらに今後、世界有数のIT企業など12団体が、鉱山跡地の地下約100メートルにデータセンターを設置することを計画している情報もある。将来ともに有望な場所だ。
鐵平 「のんびりだね。前の組に追いつきそう」
父 「慌てんじゃないよ。景色を楽しめよ」
鐵平 「のどが乾いたね。もうすぐ到着する?」
父 「あそこが折り返し地点だ。もうすぐ着くよ」
折り返し地点の「神岡鉱山前」駅に到着すると10分の休憩ができる。
その間、係の人が自転車の方向を逆方向に転換し、今きた線路を戻ることになる。
そうそう、この駅まで到着しましたよっというハンコもここでいただきます。
さて、ボチボチ帰りましょうか~。さぁ帰りの2.6キロメートルに挑戦。
鐵平 「父ちゃん、苦しいよぉ」
父 「きっついなぁ、父ちゃんも限界だ。まだ半分もきてないぞ」
鐵平 「行きは楽だったのに、帰りは地獄みたい」
父 「大丈夫かぁ、がんばれよ」
鐵平 「この自転車、漕いでも漕いでも前に進まないよッ」
父 「やっぱ登りは苦しいなぁ」
鐵平 「後ろの組から追いつかれてしまったね」
父 「ガダガタ言わず漕げよッ!」
やっと思いで到着駅の「奥飛騨温泉口」が見えてきた。あと少しだがんばれ。
最後の一踏ん張りで高低差1メートルを一気に乗り越える。
鐵平 「ふっーー」
父 「・・・・・・・」
とても印象に残る旅でした。最後の500メートルは景色を眺める余裕もなく
ひたすら線路を睨み付けてペダルを漕いだ。漕いで漕いで漕ぎまくった。
ヘルメットをとると汗で髪がビッショリ。湯気がでている。
鐵平 「父ちゃん、つらかったね~」
父 「おう~~、つらかったなぁ」
最後にこのレールバイクに乗った人全員にメモリアルチケットをもらったので
紹介します。ハィッ全員にです。全員にいただきました。